エスモード・ジャポンさまは、
世界14ヶ国21校で展開しているファッション教育機関。
日本では1984年からの歴史を持つ
国内有数のファッション専門学校で、
デザイナー、パタンナーなど
ファッション業界で活躍する人材を多数育てて
世に送り出しています。
今回、東京校の卒業作品審査会の審査員としてお招きいただき
若いクリエイターたちの熱意あふれる姿にふれつつ
精魂込めた卒業作品を拝見してきました。
正直、想像をはるかに超えたレベルの高さで、
学生さん一人一人と直接話す貴重な機会にもなりました。
みなさんもデザイナー・パタンナーという言葉は
お聞きになったことがあるかと思います。
「デザイナー」は、服のデザインを作り出す人、
「パタンナー」は、デザイナーの描いたデザイン画をもとに
実際に人体が着心地良く美しく着られるよう、
型紙を作ったりなど、
いわば服の設計図を作るような仕事です。
ちょっと想像してみてくださいね。
例えばスカートの絵を100とおり描いて、とか
1枚の布地でジャケット作って、とか言われても
専門知識のない大多数の人は難しいです。
かあちゃんも無理だわ。
しかも、デザイナーやパタンナーは
自分が着たいものを作っているわけではなく
機能性とデザインを兼ね備えビジネスとして成り立つ
という様々な要素を考える能力と技術が必要。
20世紀の職業の大半は
遠からず人工知能にとって代わられると言われますが、
デザイナーとパタンナーの仕事、
クリエイティブがこの世からなくなることはないと思います。
今日、エスモードジャポン様で出会った
若いクリエイターたちは
創造性と、それを表現するための専門技術とを兼ねそなえ
なおかつそれをきちんと人に伝えることができる、
素晴らしい人材と作品がつぶぞろいで、
予想をはるかに上回るレベルに、
日本の未来は明るいぞ!と感銘を受けたのでした。
なのに・・・・・
帰りのタクシーの中で
小島健輔先生の今日のブログを読んで、がっくりきました。
先生のブログによると
ファッション業界 職種別平均年収データで
25才〜39才の世代別年収は
「パタンナー」と「販売」が最下位なのだとか。
そ、そんなバカな〜〜。
かあちゃんたち四大卒新入社員が
楽園の大学生活をちゃらちゃらと送っていた同じ時期に
同期のデザイナー・パタンナーの子たちは、
学校で大量の課題をこなしてスキルを上げる努力をしていたこと、
かあちゃんが苦手な立体図形や展開図も
パタンナーの子たちは難なく
図面に書きおこすことができること。
「ああ、この子たちにはかなわない。がんばらないと」
と思ったことなど、
入社1年めの衝撃を、今でも鮮烈に思い出します。
いろんな面で彼女たち専門職のスキルの高さ
プロ意識に刺激をもらったものです。
フランスでは、デザイナーと同等に評価されるパタンナー。
日本ではいつからそんな待遇を
受けるようになってしまったのか。
なんともやるせない気持ちになりました。
+++++
かあちゃんたち大人世代にできることは
それぞれのフィールドで
若い人が希望を持ち
あんな仕事を僕も私もしてみたい!と
憧れてもらえるような環境を作ってあげることなんでしょうね。
改めて背筋が伸びる思いがしました。
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